今回、私は初めて内水面漁場管理委員会の傍聴を行いましたが、私が思っていたよりも委員の皆さんは他の方の意見を大事にしながら話を進めていらっしゃると思いました。とても紳士的で、バス問題を頭ごなしに否定するような方は見られなかった。
裏を返せば、数名を除いてはあまり県内の外来魚の現状や外来生物法などに詳しい方々ではないとも思えました。無理もありません、この委員の方々は日頃外来魚問題に関わっているような人達ではない。だから、委員会の内容に関しても、既に巷では語り尽くされたような内容が繰り返されたり、時には誤った内容が意見として出されたりしていました。
「それ、違います!」
「そんなこと、自分が詳しく説明しますよ!」
と挙手したかったですが、傍聴人という立場はそれが一切出来ない。歯痒い思いで会議の成り行きを見守るしかありませんでした。
埼玉県内のオオクチバス再放流禁止からほどなく2年。埼玉県における平成26年度のオオクチバスの駆除実績は81尾。そして平成27年度の駆除実績に関しては何と0尾だった。県は平成25年まで実施していた非常雇用基金を基にした駆除活動が打ち切られたためだと説明しました。確かにそれは間違っていません。しかし県側はオオクチバスの再放流を禁止したことによる効果については何ら具体的なデータを提示することが出来ませんでした。
外来魚問題以外の案件に関しては比較的決議がスムーズに進んだものの、やはり外来魚に関する内容に関しては委員会内でも活発な意見交換がなされた。そして遊漁代表委員のT瀬さんは、県内のバス釣り場が全くないというのは困る、県内の小売店の収益も落ちている、このままでは釣り人口も衰退していってしまう、何とか県内にバス釣りが出来る場所というのを1箇所でも2箇所でもいいから準備してもらえないか?と強く訴え続けました。
この主張は、多くの委員からの同意を得られた。<バス憎し>とする漁協の方ですら「確かにバス釣りファンは多いのだから県内のどこかにその受け皿がないと困るだろう」と意見してくれたほどです。
もしかしたら、この日は鬼の形相で会議の成り行きを見守っていた傍聴人がいたということも、少なからず委員の方々へのプレッシャーになっていたのかもしれませんが。
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結果。
これまで通りオオクチバスの再放流禁止は2年先まで更新された。コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュも同様。
但し、これに特記事項が付帯することになった。
県内のバス釣り場の確保も含め、外来魚問題を継続審議していく というものです。
具体的にいつ、どのような形で審議していくのかに関してまでは委員会の中では話が及びませんでしたが、いずれにせよこの特記事項が付記されることになった。オオクチバスの再放流禁止に関しては2年先まで更新されるものの、その途中で部分的解除の可能性を有するものとなったわけです。
つまり、大筋は県の意向に沿う結果にした反面、埼玉県はもっと県内の釣り人・釣り業界のことも考慮しなさい、と委員会が決したわけです。委員長も県の担当者に対して「ちゃんと(釣り場の確保を)やって下さいよ」と念を押していました。
**********
理想的な「勝ち」ではない。でも、完敗ではない。釣り人側の希望を聞き入れるような方向に持って行けたことは一定の成果と言える。オオクチバスが再放流禁止となってから初の更新。しかし依然として委員会内での異論も根強く、県の要望通りにすんなりと更新されることはなかった。それもまた大きな意義がある。
現状、そしてこの先もしばらくは埼玉県内のバス釣り場は0です。しかし今後、それが1や2になる可能性を残した。もちろんそれが難航するであろうことは想像に難くない。でも今後、埼玉県は県内でバス釣りが出来る釣り場を確保する方向で検討を進めて行かなくてはいけないこととなった。何せ、内水面漁場管理委員会の委員会指示としてそのように決まってしまったのだから。
(つづく)
裏を返せば、数名を除いてはあまり県内の外来魚の現状や外来生物法などに詳しい方々ではないとも思えました。無理もありません、この委員の方々は日頃外来魚問題に関わっているような人達ではない。だから、委員会の内容に関しても、既に巷では語り尽くされたような内容が繰り返されたり、時には誤った内容が意見として出されたりしていました。
「それ、違います!」
「そんなこと、自分が詳しく説明しますよ!」
と挙手したかったですが、傍聴人という立場はそれが一切出来ない。歯痒い思いで会議の成り行きを見守るしかありませんでした。
埼玉県内のオオクチバス再放流禁止からほどなく2年。埼玉県における平成26年度のオオクチバスの駆除実績は81尾。そして平成27年度の駆除実績に関しては何と0尾だった。県は平成25年まで実施していた非常雇用基金を基にした駆除活動が打ち切られたためだと説明しました。確かにそれは間違っていません。しかし県側はオオクチバスの再放流を禁止したことによる効果については何ら具体的なデータを提示することが出来ませんでした。
外来魚問題以外の案件に関しては比較的決議がスムーズに進んだものの、やはり外来魚に関する内容に関しては委員会内でも活発な意見交換がなされた。そして遊漁代表委員のT瀬さんは、県内のバス釣り場が全くないというのは困る、県内の小売店の収益も落ちている、このままでは釣り人口も衰退していってしまう、何とか県内にバス釣りが出来る場所というのを1箇所でも2箇所でもいいから準備してもらえないか?と強く訴え続けました。
この主張は、多くの委員からの同意を得られた。<バス憎し>とする漁協の方ですら「確かにバス釣りファンは多いのだから県内のどこかにその受け皿がないと困るだろう」と意見してくれたほどです。
もしかしたら、この日は鬼の形相で会議の成り行きを見守っていた傍聴人がいたということも、少なからず委員の方々へのプレッシャーになっていたのかもしれませんが。

結果。
これまで通りオオクチバスの再放流禁止は2年先まで更新された。コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュも同様。
但し、これに特記事項が付帯することになった。
県内のバス釣り場の確保も含め、外来魚問題を継続審議していく というものです。
具体的にいつ、どのような形で審議していくのかに関してまでは委員会の中では話が及びませんでしたが、いずれにせよこの特記事項が付記されることになった。オオクチバスの再放流禁止に関しては2年先まで更新されるものの、その途中で部分的解除の可能性を有するものとなったわけです。
つまり、大筋は県の意向に沿う結果にした反面、埼玉県はもっと県内の釣り人・釣り業界のことも考慮しなさい、と委員会が決したわけです。委員長も県の担当者に対して「ちゃんと(釣り場の確保を)やって下さいよ」と念を押していました。
**********
理想的な「勝ち」ではない。でも、完敗ではない。釣り人側の希望を聞き入れるような方向に持って行けたことは一定の成果と言える。オオクチバスが再放流禁止となってから初の更新。しかし依然として委員会内での異論も根強く、県の要望通りにすんなりと更新されることはなかった。それもまた大きな意義がある。
現状、そしてこの先もしばらくは埼玉県内のバス釣り場は0です。しかし今後、それが1や2になる可能性を残した。もちろんそれが難航するであろうことは想像に難くない。でも今後、埼玉県は県内でバス釣りが出来る釣り場を確保する方向で検討を進めて行かなくてはいけないこととなった。何せ、内水面漁場管理委員会の委員会指示としてそのように決まってしまったのだから。
(つづく)
