このブログで災害ボランティアのことを書くとアクセス数が大幅に下がります(苦笑)。いかに興味のない人が多い話題なのかと痛感させられますが、ここは自分のブログなので書きたいことを書きます。
今日で常総市の水害からちょうど一ヶ月が経ち、メディアも思い返したようにその現状を一斉に報じました。その多くは決壊現場でカメラを回して、現在の堤防はこのようになっています、しかし家屋が流失した現場は一ヶ月経った今でもほとんど何も変わっていません、といった報道をしています。
常総市には「流された」ところと「浸かった」ところがある。流されたところというのは決壊場所の周辺のみで極めて限定的な範囲です。そこから数100mも離れると住宅は普通に立ち並んでいる。但しこちらは「浸かった」被害を受けています。そしてその範囲というのは驚くほど広い。
メディアが報道するのは、一見してインパクトのある「流された」場所が多い。ここは確かに今でもほとんど1ヶ月前のままと言えるかもしれない。この地区の住民は避難場所など自宅以外の場所に居る人がほとんどで、当然のことながら自宅の片付けなどに着手できる状態ではないのでボランティアもほとんど入っていない。だからほとんど変化がない。
一方「浸かった」場所に関しては、片付けや掃除が進んだ家だと傍目には災害前とさほど変わらないように見えるようになっています。だから外部の人達から見れば、もう緊急性は薄いように捉えられてしまうかもしれない。けれども間違ってはいけない。水に浸かった家の被害というのも相当なものだし、復興はこれからなのです。
鬼怒川が決壊した石下。そこから南にあたる水海道。結果として土地の低い水海道地区に水は流れ、深刻な浸水を引き起こし、水が引くまでの時間も要した。水が引くのが遅れた地域では片付けや掃除に着手するタイミングもそれだけ遅れている。早々に片付けに着手出来た地域に比べて、おおよそ1週間ほどのタイムラグがあった。
避難所などで早々にボランティアを要望する為の情報を得ていた人も居た一方で、情報に恵まれることなく身内だけで後片付けをする家もあった。特に高齢者には情報に疎い人が少なくなかった。そうなると当然、片付けのスピードに大きな差が生まれた。
近所の人から教えてもらい、ようやくボランティアを要請する。しかし現在、ボランティアは大幅に不足しており人手は足りない。呼んでも来てもらえないという日が続く。片付けは思うようにはかどらない。そういう家がまだまだある。
現地での片付けの段取りは、こうです。
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浸水して駄目になったものを家の外に運び出して処分する。洗えば使えそうなものもひとまずは屋外に運び出す。
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畳を上げて床を剥がし、床下の泥を掻き出す。家の広さにもよりますが、相当な量の泥を運び出すことになる。床を剥がせない部屋や廊下の下に溜まった泥については狭く真っ暗な床下へ潜り込んで泥を掻き出すしかない。相当な重労働で、家の人だけでやろうとしたら相当な時間と労力を要することになる。泥を掻き出したら、石灰を適量撒いて消毒する。
その後に床を戻し、壁や窓を含めて部屋を徹底的に掃除。屋外に出してあった物を綺麗に洗ってから室内に戻す。これが終わるまでの間はほぼ家の窓やドアは空いている。今はまだ昼間は寒くないからいいけれど・・・
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そして庭や畑には大量の稲藁やゴミ、泥が溜まっている。側溝も同様。こちらの掃除も必要。
しかし未だに、後片付けの初期段階という家も多いのだそうです。現在避難所に居る人が自宅に戻ったら、そこから始まる後片付けもあります。
今はまだ家屋の片付けが優先されているのですが、ゆくゆくは農地の整備も必要になる。大量の泥やゴミを除去しないことには農地に戻せない。
少なくとも、寒くなる前に家屋の後片付けだけは終わらせないといけません。そのための人手が全然足りていない。鬼怒川の決壊より1ヶ月が経過しましたが、今はそういう現状です。心と時間に余裕のある方は是非常総市災害ボランティアへ。
※災害ボランティアは被災地での写真撮影をしないようにとされています。写真は常総市災害ボランティアセンターのfacebookより拝借しました。
今日で常総市の水害からちょうど一ヶ月が経ち、メディアも思い返したようにその現状を一斉に報じました。その多くは決壊現場でカメラを回して、現在の堤防はこのようになっています、しかし家屋が流失した現場は一ヶ月経った今でもほとんど何も変わっていません、といった報道をしています。
常総市には「流された」ところと「浸かった」ところがある。流されたところというのは決壊場所の周辺のみで極めて限定的な範囲です。そこから数100mも離れると住宅は普通に立ち並んでいる。但しこちらは「浸かった」被害を受けています。そしてその範囲というのは驚くほど広い。
メディアが報道するのは、一見してインパクトのある「流された」場所が多い。ここは確かに今でもほとんど1ヶ月前のままと言えるかもしれない。この地区の住民は避難場所など自宅以外の場所に居る人がほとんどで、当然のことながら自宅の片付けなどに着手できる状態ではないのでボランティアもほとんど入っていない。だからほとんど変化がない。
一方「浸かった」場所に関しては、片付けや掃除が進んだ家だと傍目には災害前とさほど変わらないように見えるようになっています。だから外部の人達から見れば、もう緊急性は薄いように捉えられてしまうかもしれない。けれども間違ってはいけない。水に浸かった家の被害というのも相当なものだし、復興はこれからなのです。
鬼怒川が決壊した石下。そこから南にあたる水海道。結果として土地の低い水海道地区に水は流れ、深刻な浸水を引き起こし、水が引くまでの時間も要した。水が引くのが遅れた地域では片付けや掃除に着手するタイミングもそれだけ遅れている。早々に片付けに着手出来た地域に比べて、おおよそ1週間ほどのタイムラグがあった。
避難所などで早々にボランティアを要望する為の情報を得ていた人も居た一方で、情報に恵まれることなく身内だけで後片付けをする家もあった。特に高齢者には情報に疎い人が少なくなかった。そうなると当然、片付けのスピードに大きな差が生まれた。
近所の人から教えてもらい、ようやくボランティアを要請する。しかし現在、ボランティアは大幅に不足しており人手は足りない。呼んでも来てもらえないという日が続く。片付けは思うようにはかどらない。そういう家がまだまだある。
現地での片付けの段取りは、こうです。

浸水して駄目になったものを家の外に運び出して処分する。洗えば使えそうなものもひとまずは屋外に運び出す。



畳を上げて床を剥がし、床下の泥を掻き出す。家の広さにもよりますが、相当な量の泥を運び出すことになる。床を剥がせない部屋や廊下の下に溜まった泥については狭く真っ暗な床下へ潜り込んで泥を掻き出すしかない。相当な重労働で、家の人だけでやろうとしたら相当な時間と労力を要することになる。泥を掻き出したら、石灰を適量撒いて消毒する。
その後に床を戻し、壁や窓を含めて部屋を徹底的に掃除。屋外に出してあった物を綺麗に洗ってから室内に戻す。これが終わるまでの間はほぼ家の窓やドアは空いている。今はまだ昼間は寒くないからいいけれど・・・



そして庭や畑には大量の稲藁やゴミ、泥が溜まっている。側溝も同様。こちらの掃除も必要。
しかし未だに、後片付けの初期段階という家も多いのだそうです。現在避難所に居る人が自宅に戻ったら、そこから始まる後片付けもあります。
今はまだ家屋の片付けが優先されているのですが、ゆくゆくは農地の整備も必要になる。大量の泥やゴミを除去しないことには農地に戻せない。
少なくとも、寒くなる前に家屋の後片付けだけは終わらせないといけません。そのための人手が全然足りていない。鬼怒川の決壊より1ヶ月が経過しましたが、今はそういう現状です。心と時間に余裕のある方は是非常総市災害ボランティアへ。
※災害ボランティアは被災地での写真撮影をしないようにとされています。写真は常総市災害ボランティアセンターのfacebookより拝借しました。
