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Channel: IKE-Pの釣れづれ日記
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216を減らす事の難しさ

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昨年の9月、陸前高田市・古川沼での行方不明者捜索に加わりました。この捜索は8月に開始され、大勢のボランティアが捜索に加わった。

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自分は被災地の仮設住宅で、家族を失い一人で暮らしている人も見てきました。未だに家族の行方が分からず塞ぎ込んでいる人もいる。何とかしたいと思ったけれど、行方不明になっている家族を遺族の手に戻すこと以外に自分には考えられなかった。だから自分自身も行方不明者の捜索に加わりましたが、結果を出すことは出来ませんでした。

とにかく悔しいの一言。行方不明者を発見することの難しさは自分の想像を遥かに超えるものでしたが、このままで終わりたくないという気持ちが強く、また機会があれば捜索活動に加わるつもりでいました。

あれからもうすぐ1年が経つ。現地の状況は大きく変わった。

残念ながら、現在ではもう捜索活動はほとんど行われていません。捜索活動を行っていた2つの有志団体のうちの1つは今年の5月でその捜索活動を終了しました。そしてもう1つの団体は、他のボランティア活動を中心に活動をされており、捜索活動は極めて限定的なものとなっているようです。

捜索活動によって、多くの手掛かりや遺骨の一部のようなものが日々発見されていたのは確かです。私が参加した日だって、他の人がそれらしきものを発見していた。自分自身が力になれなかったのは残念でしたが、それでもこの捜索活動によって行方不明者が発見され、それによって多くの遺族の人達もまた救われているはずだと思っていました。でも現実はそんなに甘いものではなかったようです。

私が捜索に加わった2013年9月の時点で、陸前高田市の行方不明者は216名。そして2014年2月28日の時点における陸前高田市の行方不明者数は、県の発表で215名だった。この結果は正直ショックでした。新規に発見された行方不明者はたったの1人だった。古川沼の捜索活動で発見された人かどうかもわからない。

捜索活動で発見された遺骨の一部と思わしきものは一体何だったのか。行方不明者の遺骨ではなかったのか?或いは既に身元が判明している人の遺骨の一部だったのか。でも、それを知る術はありません。

この結果を知るにあたり、捜索活動のトーンダウンも止む無しと思えるようになりました。そして、自分自身の捜索活動への思いもトーンダウンしてしまったというのが正直なところです。

岩手県にはまだ1132人もの行方不明者がいます。物凄い人数です。そしてその行方不明者の人数以上に悲しんでいる遺族がいる。でもその中の僅か1人を助けることすらとても、とても、とても難しい事なのです。自分はこの先何をしたらいいんだろう。

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