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Channel: IKE-Pの釣れづれ日記
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移りゆくクルマ選び

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もう20年以上も昔の話ですが、私が通っていた大学の上級生に割と綺麗な女性がいました。当然モテてはいたのでしょうが、彼氏がいるという噂は聞かなかった。その人はお洒落な高級外車を乗り回していました。私の通っていた大学はほとんどお金持ちのボンボン層はいませんでしたから、ちょっと目立った存在でした。

噂によるとその車は、娘に悪い虫が付かないようにと親が買い与えたものなのだそう。でもその効果は確かにあったのかもしれません。相手がどんなに綺麗な女性であっても、普通の貧乏学生は彼女にアタックすることすら許されないような雰囲気があった。

車も持っていない男性は車を持っている女性には告白できない。オンボロの車に乗っている男性は高級外車に乗っている女性には告白できない。そんな規則なんてもちろんどこにもありません。が、そんな「空気」は当時、間違いなくありました。だから、車、それもなるべくいい車に乗ること。それは当時の若者の間では異性にモテるための必要条件だったように思います。くだらないといえばそれまでですが、そんな空気もまた、日本の車社会を支えてきた一面でもあるように思えるのです。

そんな時代でしたから、社会人になると皆、ちょっとローンに苦しみながらも思い思いの車を所有していたものです。当時、巷ではまだまだスポーツカータイプの車の人気が高く、私の友達の間でも、シルビア、レビン、ロードスター、プレリュードといった車の人気が高かった。最近は若い人はあまり車に興味がないようだから、この手の車種もあまり見掛けなくなった。ちょっと寂しい事です。

そして、かつてスポーツカータイプを乗り回していた若者も今ではすっかりいい歳のオジサンになり、家族を乗せてミニバン、なんていうケースが多くなった。街中でも釣り場でも、ミニバンが本当に多いなと思う。

私は昔から釣り人でしたから、スポーツカータイプへの憧れはありませんでした。むしろ、アルミボート、バスボートへとステップアップしていくのであろう未来の自分を想像しては、それに見合う車をイメージしていました。とにかくボートの運搬が第一条件、それが出来ない車は候補とならない。

たまたま時代を同じくして、バブル期にアウトドアブームがやってきました。それまでバンとの差別化さえも曖昧で「ダサい」とされていたステーションワゴンが一世を風靡し、レガシィが大人気で、それに追従したアベニールも人気を博していた時代でした。私もスプリンターカリブ、カルディナとステーションワゴンに乗ってきましたが、アルミボートを積んであちこち出掛けたり、車中泊をしたりと思い出深い車になっています。当時はトーナメンターもこのスタイルが多かった。

現在、トーナメント会場に行くと(湖にもよりますが)参加者の多くはバスボートです。アルミボートは少数で、その中でもカートップで運搬している人なんて数えるくらいしかいない。場合によっては全くいないかもしれない。だからトーナメンターの間では、大型の4駆に乗っているという人が圧倒的に多い。あちこちの釣り場を回り、自分の車でバスボートをランチングするとなれば、確かに大型4駆の安心感は絶対的なものがあるでしょう。

でも一般の釣り人の間では大型の4駆に乗っている人の割合というのはさほど多くはないように感じます。ミニバン、或いは小型車も。軽のワンボックスなんていう人もわりといる。タックルが積めるという点に関しては条件にしているのでしょうが、それでも日常生活を優先させた車選びをしている人が多いような気がします。バスボートのオーナーでさえも、ボートをマリーナに置きっぱなしでランチングもマリーナでやってもらうという場合には車種なんて別に何でもいいし、事実、普通車や小型車の人も多い。

カートップするためのキャリアがガッチリと装着できる車種はアレとアレで・・・トレーラーのヒッチが付けられる車はアレとアレで・・・なんていうかつての釣り人目線の車選びは、今では一部の人達の間だけになりつつあります。

時代と共に車選びも随分と変わってきていますね。

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